カラミティナイト-オルタナティブ-2
カラミティナイト-オルタナティブ-2
著者:高瀬彼方/イラスト:ひびき玲音/ソフトバンククリエイティブGA文庫
「――これだ、この人形を君にあげよう。敷島は、思い通りにならない人間関係に悩んでいたようだからね」
優しい言葉と共に手渡された、小さな人形。それは、敷島咲希の儚い願いを狂気に変える、禁断の鍵だった……。
ホリィ・ブローニングの左胸に宿る「災禍の心臓」が巻き起こす、凄惨な事件の数々が、日常を崩壊させてゆく。
誰もが、誰かを守りたいと想いながらも、その想いを嘲笑うかのように、傷つけ合うことしか出来ない少女たち。
だが、それでも、櫻井優子は疾走する。
呪われた夜の闇を。
自分だけに守れる誰かがいると信じて。
自分だけに出来る何かがあると信じて。
そして優子が辿り着いた場所で、待ち受けていた「真実」とは――。
正直1巻の内容は序盤の序盤、智美をめぐる人間関係を説明するだけで終わってる感じで、
感想を書くのに困る感じでしたが、その分2巻は内容てんこもりです。
勘違いからくるすれ違い。ホリィの秘密。身近におきる異能を使った殺人事件。
ようやく物語が動き始め、転がり落ちるようなテンポで話が展開します。
ここに来て学園異能モノとしての舞台が整うわけですが、この手のジャンルの中では
「敵を殺す」という事にかなり容赦しない描写になっています。
昨今ではそうでもないですが、学園異能モノにおいて大抵戦うことの罪悪感を逃がすなにかしらのガジェットがあるものですが、
この話にはそういうものがありません。
「自分と同じ人間と戦う」ということがかなり明確に書かれています。
その辺りから生まれる「狂気」が物語の鍵となっているのもこの話の魅力だと思います。
そして敵を生かしておかなかった理由を責めるでもなく理性的に優子に説明するランスロットさんはマジ大人ですw
どうでも良い話ですが優子の「私の嫁と二人っきりで?」という台詞に最近のネットに合わせて書いてあるなー、
思った自分は心の汚れた大人だと思いましたw
そんな何度も嫁嫁言うなw
優子の発言は陰鬱な物語の一服の清涼剤だホント。
他の巻の感想:1 2
カラミティナイト-オルタナティブ-2 (GA文庫) (2009/03/14) 高瀬 彼方 商品詳細を見る |
2009.04.14 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説